新規開業事例
”働く人々を応援したい。”最良の方法を考え続ける革新的なクリニック
クリニック概要 | |
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院長名 | 天野 方一(あまの ほういち)先生 |
クリニック名 | eHealth clinic |
クリニックHP | https://ehealthclinic.jp/ |
コンセプト | いつでも、必要なときに、 直接でもオンラインでも 医療を受けることができるクリニック |
所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-6-4 新宿通東洋ビル3F |
アクセス | 東京メトロ都営新宿線【新宿三丁目駅】から徒歩1分 JR【新宿駅】から徒歩7分 |
診療科目 | 内科、腎臓内科、皮膚科、アレルギー科 |
開業日 | 2022年4月 |
新宿にあるeHealth clinic新宿院の天野方一院長に開業をテーマに弊社代表の金子がインタビューを行いました。開業の経緯、開業準備のエピソード、クリニック作りのこだわりや運営で大事にしていること、そして、これから挑戦していきたいことなど、様々なお話を伺いました。
「働く人々を応援したい」という強い想いを持ち、患者さんの健康を支える為、患者さん自身が医療を継続できる最良の方法を考え続ける革新的なクリニックの取組事例ですので、これから開業を検討されている先生やeHealth clinicの受診をお考えの方にぜひ参考にしてください。
また、eHealth clinicでは、健康診断の無料フォローアップを始めるそうなので、こちらも是非お試しください。
天野先生について
Q1:医師を目指したきっかけ
——本日はよろしくお願いいたします。まずは、天野先生が医師になろうと思ったきっかけを教えてください
医師である親の影響です。幼少期から、母が診た患者さんと話す機会があり、良くなった患者さんから感謝されている場面を見て、医師の仕事は素晴らしいなと思っていました。
Q2:腎臓内科を専門にした経緯
——幼少期からの夢だったのですね。では、医師の中で、腎臓内科をご専門にされた経緯を教えてください
当初は、病気の種類が幅広い腎臓について学問的に興味があるという感じでした。実際に診療をしている今では慢性腎臓病のようなCommon disease(日常で患うことが多い病気の総称)に対する環境を変えていきたいと思って取り組んでいます。
——そうなのですね。私のような素人では慢性腎臓病などは「聞いたことある」程度ですね。
はい、慢性腎臓病は「新たな国民病(国民の多くに蔓延し、社会に悪影響を与える病気のこと)」と言われていますが、高血圧や糖尿病など他の国民病と比べて社会的認知度がまだ低いと思います。ただ、様々な病気に繋がる危険要因でもあるので改善していきたいと思っています。
Q3:医師として心掛けていること
——そんな天野先生が、医師として日々心がけていることなど教えてください。
研究に基づいた一般論に加えて、その人個人に合った治療を心がけています。エビデンスのある治療法だけでも、おおよそ90%に対して有効だと言われていますので、エビデンス通りの治療法をベースとして、患者さん個々に合わせた個別のアドバイスも加えていくように心がけています。これは当院の行動指針でもあります。
クリニックについて
Q1:eHealth clinicの特徴や強み
——続いて、クリニックについて教えてください。eHealth clinicの特徴や強みは何でしょうか。
患者さん一人ひとりに合わせた診療を提供できる点です。診察時の心がけもそうですが、「オンライン診療」、「土日の夜間までの診察」、「英語・中国語での対応」、「薬の配達」などを整えている点も強みと思っています。
——オンライン診療に力を入れているのですね。それは便利ですね。
はい、オンライン診療はクリニック側としてはオペレーションが複雑になり難しいのですが、患者さん目線で考えると、辛い状況のときに自宅に居ながら診察を受けられるので楽です。なので忙しい現代人の中ではとても需要があります。一方で来院かオンライン診療かのどちらか片方だけを選択するのではなく、疾患や状況によって、使い分けすることが良いと思っています。
——なるほど。どちらか片方だけでは無く、良いところ取りですね。他にはありますか。
設備面として、自院で一通りの検査ができる設備、人員体制があることですね。当院にはエコーやレントゲンなどの設備があり、検査技師や栄養士もいますので、患者さんのお悩みを一通りカバーできると思っています。また、当院でカバーできない範囲については病院や診療科目の異なるクリニックと連携しています。
あとは、基本的にオンラインで予約を取っていただいており、24時間対応可能なので、患者さんが仕事終わりに「ちょっと調子が悪いな。」といった場合でも次の日の朝の予約が取れるような環境にしている点も強みと思います。
——確かに、夜に次の日の朝に予約したいと思ってもできないクリニックが多いですね。
※eHealth clinicの設備の写真です。エコーやレントゲンをはじめ検査設備が整っています。
Q2:eHealth clinicの患者層
——eHealth clinicではどんな年代や疾患の患者さんが来院するのですか。
年代では30~60代と幅広くご来院いただいています。現在は発熱症状の方、慢性疾患の方、健康診断の方と様々な方がいらしています。
——発熱の方と、慢性疾患の方は一緒に診ているのですか。
発熱の患者さんと慢性疾患+健康診断の患者さんで時間帯を分けることで、どちらの方にも安心して受診いただけるようにしています。
——それはとても安心ですね。
Q3:スタッフについて
——eHealth clinicのスタッフさんはどんな方が多いですか。
立地や様々なシステムを導入していることもあり、比較的若いスタッフが多いです。若くても色々と患者さんのことを考えてくれて、スタッフと幅広く意見をぶつけてPDCAを回しています。
——素晴らしいですね。採用の際に意識をしていることはありますか。
成長意欲のある人・自分の言葉でしっかり話せる人の採用を心掛けています。
Q4:今後の取り組み
——今後新たな取り組みや挑戦などはお考えですか。
当院で健康診断を受けた方全員にサービスとして無料でフォローアップ外来を始めます。
——無料は良いですね。それはどのようなことをするのですか。
せっかく健康診断を受けても、その結果の解釈が難しく、放置してしまうことがあると思います。そこで、保健師等の専門家が健康診断の結果に応じて「経過観察で問題ない」「●●外来に行った方がよい」などとオンラインでアドバイスを行い、必要であれば来院していただくというイメージです。
——確かに健康診断の結果を見ても、どうすれば良いのか。。と思うことがあるのでこれはありがたいですね。
開業について
※eHealth clinic ホームページ参照。アクセスと特徴
Q1:開業地域(新宿)の選定理由
——次に開業について教えてください。今回開業地として新宿を選んだのはなぜですか。
働き盛りの人を応援したいので、企業が多くある場所を選択しました。新宿、渋谷、池袋などの中から、物件探しをしていく中で、ご縁があり良い物件が見つかった新宿になりました。
Q2:開業の検討時期
——先生はいつ頃から開業を検討し始めたのですか。
公衆衛生の大学院に入ってからです。医療問題を解決するために社会へのアプローチ方法の一つとして開業を考え始めました。
——公衆衛生の大学院に入ったのがきっかけなのですね。なぜ公衆衛生の大学院に入ったのですか。
腎臓内科を専門として学んだ後、慢性腎臓病に興味を持ちました。慢性腎臓病は治療法が無く、極端に言うと予防か移植しかないという病気だったので予防を勉強しようと公衆衛生が学べる大学院に入りました。そして公衆衛生を幅広く勉強していく中で、慢性腎臓病などの医療問題・ヘルスケアの問題を解決するためには社会にアプローチしていかねばならないと考えたことが開業のきっかけです。
Q3:開業までの期間
——開業を検討してから、実際に開業をするまでにはどれくらいかかりましたか。
1年くらいですね。良いご縁があったと思っています。
Q4:開業準備
——物件が決まってからの開業準備で大変だったこと、印象に残っていることはありますか。
コロナ渦だったので物件を探すことと、開業準備期間が短かったことが大変でした。
——物件探しは大変でしたね。
はい、候補はたくさんありますが、条件に合う物件がなかなか見つからなかったです。そして物件が決まった後、準備期間が短い中で建物側とコミュニケーションのミスがあり、当初想定していた設計図面では消防法的に不可となり、設計のやり直しや行政確認を急ピッチでおこなったのがとても大変でした。
——確かにあれは慌てましたね。。一方でそういう事態になってから建物の関係の方々がとても誠実に対応してくれたのは印象に残っています。
はい、あとはそういう事態になっても、金子さんを始めG.C FACTORYの方が全面的にバックアップしてくださったのでとても安心しました。開業後もバックオフィスで労務や経理でサポートしていただき、日々運営の中で分からないことがあったときに相談できるパートナーになっていただいているので今も安心感があります。
——そう言ってくださり、大変光栄です。
Q5:開業準備中の仕事
——開業準備中はどのように勤務をしていましたか。
非常勤としてクリニックで勤務をしていました。今後必要になりそうな分野や経営がうまくいっているところなど「このクリニックで働くことは将来役に立ちそう」と思うところで、勉強するために働いてました。
——今、実際に開業をしてみて、開業前の時期をどのように過ごせば良かったと思いますか。
基本的に開業後の為になるところで働いていたので、今やり直せても変わり無いと思います。あとは、チェーン展開しているところで働いて、仕組みを勉強するのもよかったと思います。
Q6:開業準備時のこだわり
——開業準備の際にこだわっていたことはありましたか。
色々とありますが、特に内装はこだわりました。賛否両論あることは承知の上ですが、医療施設らしくない、おしゃれなクリニックにしようと思っていましたので、内装は医療機関専門のところではなく、美容室なども展開しているデザイナーの方にお願いしました。
——素敵に仕上がりましたよね。それでいて医療機関専門のところより安く済んで、その分を医療機器などの患者さんに還元できるところに割けていたのはさすがでした。
※eHealth clinicの内装です。青と白を基調としたお洒落な内装です。
Q7:患者数の推移
——開業から今までの患者数推移や割合を教えてください。
開業後すぐは、1か月当たり数百人程度でしたが、現在(2022年12月)は1か月に2,000人弱の患者さんを診ています。
——すごい数ですね!
施設としてのキャパシティはまだあるので、2診体制にしたりして、もっと多くの方に快適に受診いただけるようにしたいです。
Q8:開業準備の後悔
——今振り返ってみて、開業までにしておけばよかったと思うことはありますか。
地域住民の方などに対してPRする時間をもっと持てばよかったと思っております。
基本的に開業準備は慎重になり過ぎてたくさん時間をかけるよりも、集中して短期間で開業するほうがよいと考えています。それでも、私は一般的な開業準備期間より短かったこともあり本当にバタバタとしました。そのことを考えると、もう少し余裕を持って、地域の方に周知をすれば良かったと思っています。
Q9:挑戦の大きさに関して
——クリニックは76坪と一般的なテナント開業のクリニックよりも大きく、開業費がかかっている大きいチャレンジですが、挑戦することに抵抗はありましたか?
最初、テナントを借りるときなどには少し抵抗がありましたが、自分の年齢も若く、ある程度のリスクを取らないとやりたいことをできないと思っています。今大きなチャレンジをしていることに対して後悔や抵抗は無いです。
——素晴らしいと思います。私もついつい挑戦に尻込みしてしまうので、経営者として尊敬します。
Q10:開業される先生へのメッセージ
——本コラムはこれから開業する先生も多くご覧いただくのですが、先輩開業医として、これから開業を検討されている先生へメッセージをお願いします。
やりたいことは早く行動に移された方が良いと思います。
医療業界だけで無く、どの業界も良い意味で流動的になっていると思いまして、医院開業についても方法として通常の新規開業の他にも、M&Aやスモール開業(数百万円など低予算での開業)など、昔に比べて選択肢が増えていて、挑戦がしやすくなっていると感じます。なので何か自分のやりたいことがあったら、悩まずに早く行動に移して見るのが良いと思います。
——時間は有限ですからね。本日は大変勉強になりました。ありがとうございました。
以上
天野 方一(あまの ほういち)
医師/公衆衛生学修士(MPH)/博士(公衆衛生学)
eHealth clinic 院長、帝京大学大学院公衆衛生学研究科非常勤講師
帝京大学ちば総合医療センター第三内科(腎臓内科)非常勤医師
経歴:
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を終了。腎臓病学や高血圧学の臨床や研究に従事し、腎臓専門医や抗加齢医学専門医などの資格を取得。大学病院の医師として勤務を行いながら、予防医学やアンチエイジングの重要性を実感。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、eHealth clinicを2022年4月に開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。