
譲受事例
自信のある立地で承継開業を決意した事業譲受の承継事例
Ⅰ. まえがき
今回は、2023年9月に最終譲渡契約書を締結し、無事に譲受した、とがし住吉内科循環器クリニックの富樫幸太郎先生にインタビューをさせていただきました。
富樫先生が大切にしてきたお考え、承継開業を検討したきっかけ、ビジョンなどについてのインタビューです。
これから承継開業を考えている先生方のご参考にしていただければ幸いです。
Ⅱ. 案件概要
| クリニックの概要 | |
|---|---|
| クリニック名 | とがし住吉内科循環器クリニック |
| クリニックHP | https://togashisumiyoshi.com/ |
| 譲渡者 | 青木 久恭 先生 |
| 所在地 | 〒135-0015 東京都江東区千石2丁目8−10 リオベルジュ1階 |
| 診療科目 | 内科・循環器内科 |
| アクセス | 【電車】 東京メトロ半蔵門線 『住吉駅』徒歩14分 東京メトロ東西線 『東陽町駅』徒歩14分 都営新宿線 『菊川駅』徒歩16分 【バス】 東京メトロ半蔵門線 ・都営新宿線『住吉駅』/東京メトロ東西線 『東陽町駅』より 都バス(東22)錦糸町駅~(東陽町駅経由)東京駅北口行き 『千田バス停』下車 徒歩5分 詳細はこちら(地図) |
| 初回面談日 | 2023年4月 |
| 最終譲渡契約日 | 2023年9月 |
| 譲受者 | 富樫 幸太郎先生 |
| 譲渡スキーム | 事業譲渡 |
| 担当コンサルタント | 竹野 貴弘 |
| 案件の特徴 | 承継後内装工事、医療機器の導入を行い、クリニックを開院 |
Ⅲ. インタビュー
目次
Q1:医師を志した理由ときっかけ
竹野:
本日はお時間をいただきありがとうございます。はじめに医師を目指した理由やきっかけを教えてください。
富樫先生:
大きな理由やきっかけはありませんが、子供の頃に野口英世や北里柴三郎の伝記を読み、興味を持ちました。
そこで医学部を受験しましたが、ことごとく落ちまして。
竹野:
大変な時期があったのですね。
富樫先生:
はい。ただ、医者以外になりたいものがなく、漠然と目指しておりました。
あきらめず勉強をして、何とか医学部に合格し医師になることができました。
竹野:
病院では尊敬する先生との出会いや開業のきっかけとなることはありましたか?
富樫先生:
循環器の治療について非常に勉強になった先生がいました。循環器専門の病院で勤務していたため、たくさんのエキスパートから学ぶことができました。そのような環境にいたからこそ今の自分が形成されているという面では、素敵な出会いでした。

Q2:開業のきっかけや検討した時期について
竹野:
開業のきっかけは何かあったのでしょうか。
富樫先生:
実はなかなか情熱を持てるようなものがなく、色々と一生懸命やってはいたものの、「人生ってなんだろう」と考えるようになりまして。そのときに、人間として生きるには何が一番尊いものなのかと考えたのですよ。
私の中では、「絶え間ない知的好奇心の探求」が、最も人間として生きる上で重要であるという結論に至りました。
「知的好奇心の探求」ということで、MBAを学び始めて。 そうすると病院の中とは全く別世界でした、だから、いろんな世界をやっぱり見るべきだと思いました。
竹野:
MBAの勉強をしたことで開業も一つの選択肢として考えられたのでしょうか。
富樫先生:
開業したいというよりも社会貢献をしたいって思うようになりました。ただ絶対忘れてはいけないのは自分が医者だってことです。自分は医療の世界でしか生きてこなかったため、周りから求められるものは医療しかないと考えたときに、そこでじゃあどういうふうに新たな形を見出そうかってなったら、クリニックの開業でした。
竹野:
そこでクリニックの開業に繋がったのですね。ちなみにMBAの勉強は、いつから始めたのでしょうか?
富樫先生:
2023年からですね。一般的には2年で卒業できますが、開業をしましたらなかなか勉強に手が回せなくなってしまっています。
竹野:
開業すると想像以上に忙しくなりますよね。開業前と開業後について、開業に対してどのようなお気持ちでしょうか?
富樫先生:
もっと早くやっとけばよかったかなって思います。
竹野:
それはなぜでしょうか?
富樫先生:
年齢もですが、市場はどんどん縮小しているため、早く開業すればより良い状況を作れたかと思います。
Q3:事業承継を選んだ理由、このクリニックを選んだ理由について
竹野:
新規開業ではなく、承継開業をしてよかった点はございますか?
富樫先生:
やはり初期コストが、新規開業よりも安くなることです。また現状を維持しながら立て直す余力があると尚良いです。
しっかりとした経営戦略をもって承継するのであれば、譲渡価格が抑えられているクリニックを承継しコストを抑えた方がいいと思います。それが難しい場合は、初期投資が増えますが、その代わりに既に安定した利益が出ているクリニックを選びます。
私の場合は、承継後、内装工事による休診に入ってしまい、既存患者様があまりいませんでしたがその分初期コストを抑えることができました。
竹野:
ありがとうございます。なぜこのクリニックを承継しようと思ったのでしょうか?
富樫先生:
東京に戻り開業をしたかったことと、広いクリニックだったからです。また東京駅も近く居心地がよかったです。
それから、実はWEB広告戦略をやっているところが周りにほとんどありませんでした。そのため、この場所でクリニックをすれば今まで以上に集患できる自信がありました。

竹野:
立地と広さを重視したのですね。他に確認しておけばよかったことがあれば教えてください。
富樫先生:
もう少しクリニックの状況について細かく質問すべきだったと感じています。あとは、市場調査ももっと丁寧にすれば良かった気がします。
Q4:事業承継のデメリット、新規開業の良い点について
竹野:
逆に、事業承継でデメリットに感じたことや、新規開業の方がよかったと思うことありますか?
富樫先生:
一つ言えることは、前院長の築き上げた想いも受入れた上で、自分なりの診療を両立させることが必要なことです。
刷新しなければならないこともあるので、新規開業にはない強い意思決定が必要になる事もあります。
竹野:
承継だからこそある意思決定ですね。その他はございますか?
富樫先生:
利益が出ているクリニックを承継した場合、前院長以上の努力が必要と感じます。
なんとなくのイメージですが、高い利益が出ているクリニックは一見魅力的ですが、何十年もかけて積み上げてきた成果のため、引継いだ際は相当な努力が必要ではないかと考えております。
Q5:事業承継を経て、学びや気づきについて
竹野:
事業継承をして学びになった事や、気づきはございますか?
富樫先生:
MBAを学んでいたため、経営とはこういうことなのかという実感がありました。例えば人事やキャッシュフローの流れを考えるため、実体験として知識が積み重なっていきました。
MBAで学んだことが形になり、「あ、こういうことなんだ!」という気付きがありました。
竹野:
これから開業する先生にこれだけは勉強しといた方が良いことやこれだけは意識しておいた方が良いといったことはございますか?
富樫先生:
一生懸命やることですかね。情熱をかけないと難しいと思います。
竹野:
とても大事なことですね。勤務医とはまた違う努力が必要でしょうか。
富樫先生:
はい。勤務医とは全く違いますね。今はやった分だけそのまま自分に返ってきますし、とても楽しくやれています。

Q6:今後のビジョンについて
竹野:
今後取り組んでいきたいことや、今後のビジョンについて教えていただけますか?
富樫先生:
分院展開をしていきたいです。自分ができる素質があるかわかりませんが、チャレンジしていきたいです。地域の患者さんのためにも良い医療を提供していきたいです。
Q7:新規開業、承継開業される先生へのアドバイス
竹野:
最後に新規開業、承継開業される先生へのアドバイスをお願いします。
富樫先生:
全てにおいて一生懸命やりましょう。そこに尽きると思っています。勤務時代は当直をやっていたりして大変だと感じていましたが、それ以上に今が一番大変です。
それはきっと一生懸命やっているからだと思っています。
竹野:
大変参考になりました。色々とお話を聞かせていただきありがとうございました。
IV. 終わりに(コンサルタントのコメント)
承継開業にあたり、複数の候補案件の検討から最終譲渡契約の締結まで、伴走させていただけたことを大変光栄に存じます。
開業後も税務顧問としてサポートさせていただいておりますが、収益が非常に順調に推移しているのは、富樫先生の診療に対する熱い想いと、お優しいお人柄があってこそだと確信しております。
私自身、このような素晴らしい承継に携わることができ、心より感謝申し上げます。
今後も、支援させていただく先生方が心から納得し、円満な承継を迎えられるよう、日々尽力していきたいです。

以上
担当コンサルタント:竹野 貴弘(たけの たかひろ)
株式会社G.C FACTORY コンサルティング事業部 コンサルタント
経歴:
リハビリテーション病院、調剤薬局会社、介護事業会社を経て、現在に至る。
現在はヘルスケア領域での経験を生かし、M&A、コンサルティング業務を行う。
資格
中小企業診断士
理学療法士
事業承継・M&Aエキスパート