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事例集

新規開業事例

「すべてのライフステージの女性を中からも外からも支える」丸の内の森レディースクリニック

クリニック概要
院長名 宋 美玄(そん みひょん)先生
クリニック名 丸の内の森レディースクリニック
クリニックHP https://www.moricli.jp/
コンセプト すべてのライフステージのかかりつけ婦人科医を目指します
所在地 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目6-5 丸の内北口ビルディング6F
アクセス 【東京駅】から徒歩3分
診療科目 産婦人科、内科、心療内科、皮膚科

 

Ⅰ. まえがき

今回は、この度、開業6周年(2023年9月現在)を迎えた丸の内の森レディースクリニックの院長である、宋美玄先生にインタビューをしました。宋先生が医師になったばかりの時や、勤務医時代の話からインタビューを弊社代表の金子がさせていただきました。

 

また、宋先生は新規開業だけではなく、「移転開業」と「診療科目(皮膚科・美容皮膚科)の追加」をご経験されており、普段なかなかお聞き出来ないこれらのお話もしていただきました。これから開業を考えている先生や、移転を考えている先生は是非とも参考にしていただければと存じます。

 

Ⅱ. 宋美玄先生について

 

Q1:医師を目指したきっかけ

金子:
本日は宜しくお願いします。まずは宋先生について教えてください。先生が医師を志した理由、きっかけを教えてください。

 

宋先生:
夢も希望もない話ですが、外科医であった父にほとんど強制された形でした(笑)。継ぐクリニックがあったわけではないのですけどね。 幼い頃から常々「食べていくためには医師が良いぞ」と言われて育ちました。

 

金子:
先生ご自身の中で、「確かに医師を目指してみるのも良いな」と思い始めたのはいつ頃からですか。

 

宋先生:
高校生くらいの時です。通っていた高校の同級生には医師を目指している人が多く、私も医学部を考えるようになりました。

 

金子:
学校がそういう環境だったのですね。

 

宋先生:
はい、私は概念的な学問よりも有機的な学問に惹かれており、動植物に関心があったため、自然な流れで人体にも興味を持つようになりました。あとは、そもそも学校がプロテスタントの学校だったこともあり、「生命はどこから始まるのか」、「障害のある胎児を出生前検査するのは倫理的にどうなのか」、といった生命倫理について議論を友人と日常的に話していました。

 

金子:
高校時代からそのような話をしていたのですか!(すごいですね!)そうした環境の中で努力を続けて医学部に合格されたのですね。

 

宋先生:
そうですね。家がそこまで裕福な方ではなかったので、家から通える国公立に入る為に勉強をしました。

 

Q2:産婦人科を目指した時期や理由

金子:
産婦人科医を志したのはいつ頃でしょうか。産婦人科医を目指した理由も教えていただけますか。

 

宋先生:
当時は、初期研修とかが無く、大学6年生の時にどの科に入局するか決めないといけませんでした。私は父の影響で外科系に憧れがあったのですが、当時は女性で外科に進んでいた先輩がほとんどおらず、、仮に外科医になったとしても将来子供ができたりすると辞めてしまう人が多いと聞いていました。そこで、それなりに女性がいる科で耳鼻科、形成外科、整形外科も検討しましたが、最終的な決め手は、患者さんからより「女性医師が良い」と言われる科は産婦人科だと思ったからです。女性であることが強みになることと、手術ができるということで産婦人科を選びました。

 

Q3:産婦人科医のやりがい

金子:
産婦人科医のやりがいは予想通りのものでしたか。

 

宋先生:
はい、産婦人科は、癌などの患者さんでご高齢の方もいらっしゃいますが、他の科に比べると若い方の割合が多く、「未来のための医療」である点に非常にやりがいを感じています。また、出産という特殊な領域を扱うため、他の科とは患者さんの取り合いが少ないのも良いと思っています。

 

金子:
たしかに、「おめでとうございます!」と患者さんに言える診療科目は少ないですよね。

 

宋先生:
そうですね!なので今のところ大変やりがいを感じられています。

 

Q4:医師としてターニングポイントとなった経験

金子:
宋先生にとって、ターニングポイントと言えるような経験はありますか。

 

宋先生:
医師3年目から比較的ハイリスクな患者さんが多い地域に赴任したときです。そこで若年妊娠、虐待、家族機能の喪失などが世代間で連鎖していく様を目の当たりにしました。親も16歳、17歳で妊娠していて、離婚率も高かったです。妊婦検診に一度も行っていないで陣痛が来て初めて病院に来る未受診妊婦も多く、何人もの赤ちゃんを乳児院に送りました。最初は、「なぜ避妊しないのだろう」と思っていました。

 

金子:
なぜなのでしょう。。

 

宋先生:
こういう時に、知識のある人はすぐに知識不足を理由にしてしまいますが、そもそも知識だけの問題では無いような気がしていました。若年妊娠になる子には、あまり温かい家庭で育つことができなかったため、自分はきちんとした家庭を築こうという思いが強く、出産を希望する人も多くいますが、パートナーがしっかりしていなかったり、若年でまだきちんとした職業を持たないままで稼ぐことが難しかったりして、結局育てるのが困難になってしまいます。

 

単に、知識不足というよりは、一人ではどうしようもない環境にいることで負の連鎖が起こっているというように感じました。そういった連鎖的な状況を肌で感じていた中で、どこかでこの連鎖を断ち切らなければならないと思った経験が、現在の診療に繋がっています。そのため、臨床医として目の前の患者さん一人一人に対応することはもちろんですが、社会問題にもコミットしていきたいと考えています。

 

金子:
宋先生が本を出版されたりメディアに出られたりするのは、そういったご経験が関係しているのでしょうか。

 

宋先生:
それは、この経験と直接関係があるわけではないですね。きっかけは、2006年に福島県で帝王切開の患者さんが出血多量で亡くなったことで医師が逮捕されたことがあったのですよ。当時、医師はプロなのだから結果を出して当たり前で、患者さんを死なせてしまったのは罪だと、医師を責め立てる報道がされていました。故意に人を殺すのと助けられなかったことの意味合いは違うのに、一部メディアはそれを混同するような内容で報じていました。私たち産婦人科医はそれにとてもストレスを感じていました。その時に、「妊娠出産にはリスクが伴う」ということを常識にしなければならないと思って書いたブログに反響があり、本を出版することになり、その本が広まり、テレビに出ることになり、今に至るという感じです。

 

金子:
なるほど、!偶然の要素も大きかったのですね。

 

宋先生:
そうですね、社会の問題や課題に対して、少しでも訴えかけたいと思っているうちに、目立たずに生きることが苦手になってきました()

Q5:開業を志したきっかけ

金子:
宋先生は当初は病院でお産をやってこられたと思うのですが、そこからご自身でクリニックを開業しようと思ったきっかけを教えてください。

 

宋先生:
主人が関東出身でして、東京に引っ越してきたのがきっかけです。その時に外来クリニックで勤務医をしていたのですが、通常勤務医はクリニックが集患して、いらした患者さんを診るのが仕事ですが、私はブログや書籍なども影響して、「集患」も行っていました。そこで、集患からその方の診療方針の決定に一貫性を持たせるためにも、自分で開業した方が良いと思いました。

 

金子:
確かに、開業医の方がご自身で色々な方針を決められますね。

 

宋先生:
はい、また、当時小さい子供が二人いて、タイムマネジメントが大変だったのですよ。保育園の行事や保護者会などの度に休まなければいけませんが、勤務医ですと、どうしても代わりを見つけないと休ませてもらえなかったりして、時間が自由にならない点がすごく辛かった点も開業しようと思ったきっかけです。

 

金子:
女医さんの中には、お子さんがいる場合、開業できるか不安に感じる人もいると思うのですが、時間の融通が利かせやすい点で開業医の方が子育てに向いているのですね。

 

宋先生:
はい、「経営が回る」ことが前提になりますが、開業したほうが時間は自由に設計できますね。ちなみに今は患者さんのご理解もあって完全に土日祝休みで診察をできています。

 

あとは、何歳まで勤務医を続けられるかを考えたこともあります。医師は勤務先が豊富にあると言われますが、例えば70歳になったときにどれくらい勤務先が存在しているのか、、医師が余る地域も出てくるでしょうし、今後、医療を取り巻く制度もどうなるかわからないです。そういったことを不安に考えているよりも自分のクリニックを持つのが良いと思いました。

 

金子:
先生がやりたかった医療の実現という面では、開業されていかがでしょうか。

 

宋先生:
私は一人の患者さんをずっと診たかったのですが、勤務医としていくつかの医療機関で診察していると、私の診察日以外は、別の先生が診察することもあり、その際に診療方針が変わってしまうこともありました。思春期から更年期以降まで切れ目なく、各ライフステージの女性をケアする中で、どの先生にあたっても同じ治療が受けられるクリニックを作りたいと考えていました。開業した今は、思春期、妊活、妊婦検診、産後、更年期まで診させていただいています。

 

Q6:今後挑戦したいこと

金子:
今回、移転をして、更には皮膚科、美容皮膚科の導入をされましたが、今後更に挑戦をしたいことはありますか。

 

宋先生:
現在、承認待ちですが、被爆や痛みの無いマンモグラフィの導入を目指しています。これによって婦人科と乳腺の両方のドックをやりたいですね。ホルモンで体を中からきれいにしていきたいです。もちろんそれだけがホルモン治療の目的ではないですが、コスメティックな面もホルモン治療のモチベーションにしている人も多いです。皮膚科、美容皮膚科を始めたので内からだけでなくてトータル綺麗になっていただきたいと考えています。

 

金子:
皮膚科や婦人科どちらか片方だけではだめということでしょうか。

 

宋先生:
駄目ではないですが、例えばニキビだと、ホルモンを調整する診療と、皮膚に薬を塗る診療のどちらもあったほうが求められるものに応えられると思っています。

 

Ⅲ. 丸の内の森レディースクリニックについて

 

Q7:クリニックのスタッフについて

金子:
次にクリニックについて教えてください。移転開業の支援をしていて思いましたが、貴院は本当に素敵なスタッフ様が多いですね。

 

宋先生:
ありがとうございます。当院に勤務している先生方、コメディカル、事務スタッフも含めて自分と同じ目的を共有できているのはとてもよいと思います。全員が患者さんのために考えているチームを自分のクリニックで作れたのがとても良かったなと思っています。

 

金子:
スタッフさんは普通に募集されて集まっている感じですか。

 

宋先生:
友人の紹介、以前一緒に働いていた人、普通に採用媒体から応募してくれた人など色々ですね。中には、元々は派遣だった方が、今直接雇用になった人もいます。

 

金子:
これまで、辞めてしまうスタッフさんは多かったですか。

 

宋先生:
比較的少ない方だと思います。ただ、中には、うまく馴染めずに辞めてしまった人や、不正をしてしまって辞めてしまった人もいます。

 

Q8:クリニックの強み

金子:
貴院の強みを教えてください。

 

宋先生:
まずは、周りに競合が少ないことです。丸の内は周囲に住んでいる人は少ないですが、昼間人口が多く、その中で周囲のレディースクリニックが少ないです。

 

金子:
それはわかりやすい強みですね。

 

宋先生:
はい。あとは、広告宣伝費がほとんどかかっていないことでしょうか。当院のホームページやSNSを見て、遠方から来てくださる方も多いです。そうした方々はうちのコンセプトを理解したうえで来ています。そのため、一から基本的なことを説明する必要がなく、「自分の体の状態が○○だから、治療方針はこうしたい」といった感じでお考えをある程度持っています。そういった患者さんを集めることができている点も強みと思います。

 

金子:
それは色々と発信している効果ですね。先生の考えを理解して来ているということですね。遠方からも患者さんはいらっしゃってますよね。

 

宋先生:
はい、遠くからも来てくださっています。群馬、栃木、新潟、富山、静岡、福島などいろいろです。

 

金子:
金子:患者さんのご年齢層は若い方が多いですか。

 

宋先生:
宋:そうですね。開業当初は20~30代が多かったです。最近は40~50代も増えてきました。

 

金子:
そうすると、産婦人科に美容皮膚科を合わせることは、患者さんのニーズも捉えることができていますね。

 

宋先生:
はい、そうですね。

※クリニックから見える、丸の内の風景です。東京駅の目の前の為、クリニックからは電車が常に見ることができます。

Q9:美容皮膚科の導入について

金子:
今回、移転と同時に美容皮膚科の先生をお迎えされていますが、宋先生は、美容皮膚科を導入するならば、ご専門の先生を入れてやりたいとお考えだったのでしょうか。

 

宋先生:
そうです。きちんと皮膚科専門医の先生に来てもらうことを考えていました。

 

金子:
美容皮膚科は結構前からやりたかったのですか。

 

宋先生:
開業当初はそうでもなかったです。そもそも私自身が美容に無頓着でしたし、、今回移転して部屋が増えて、考えるようになりました。

 

Ⅳ. 開業について

Q10:開業地を丸の内にした理由

金子:
開業地を丸の内にしたのはなぜですか。

 

宋先生:
最初は、恵比寿なども考えていましたが、結果的に丸の内にご縁がありました。丸の内で話があったときに、知り合いの先生などに相談をしていましたが、その際に「賃料が高いのでは」と言われました。ただ、開業した物件は非常に狭かった(10坪ほど)ので、これなら丸の内でも経費を抑えられるかなって思い、開業しました。

 

金子:
最小限でスタートしたことについては、結果的に良かったと思いますか。

 

宋先生:
はい、結果的に良かったです。最初はほぼ居抜きで、内装代金も150万円くらいしかかからなかったのですが、これが内装費に何千万円もかかっていたら、そうそう移転はできませんよね。

 

金子:
初期コストを抑えていたから、移転に抵抗がなかったのですね。

 

宋先生:
はい、あとは賃貸の契約内容で、退去時の原状回復代金もかかりませんでした。居抜で借りて、原状回復なしだったので、移転できたと思います。

 

金子:
なるほどです。丸の内のような都心での開業は、地方と比べて大変だったと思うことはありますか。

 

宋先生:
都心も大変なこともありますが、地方で開業をした知り合いの話を聞くと、土地を買って、建物を建てて、患者さん用の駐車場を作ってなど、それはそれで大変そうでした。

 

金子:
むしろ地方の方が大変とお考えなのですね。

 

宋先生:
継承をして開業する場合などは別ですが、今から大きな投資をして、地方で産婦人科の開業をしたいとなった際には、10年~20年後にその街にどれだけ若い女性がいるかなども考えないといけないと思います。私は少子化もあって産婦人科は今後より厳しくなると思っています。

 

金子:
そもそも人がいるかという点が大事なのですね。

 

宋先生:
はい、地方でも人口が減ったときに、その中で人が集約するような場所を考えて、そこでの開業であれば良いと思います。

 

Q11:子育てとの両立

金子:
子育てと開業の両立という面ではいかがでしょうか。先程の話、宋先生は開業医の方が勤務医時代より融通が利くとお考えですよね。

 

宋先生:
まあ、工夫ですね。例えば今日は、娘をクリニックに連れてきて、勉強したり漫画読んだりして待ってもらっているという感じです。子供がいられるスペースがクリニックにあるのは良かったなと思います。

 

金子:
クリニックがお子さんの学校や保育園の近くであることは大事だと思いますか。

 

宋先生:
結果、近いに越したことはないですが、子供の学校の為に開業地を選ぶ先生は「大丈夫かな」と心配になります。今、婦人科も、開業がとても増えています。そういった中で患者さんに選んでもらわないといけないので、開業場所は本当に慎重に選んだ方が良いと思います。

 

金子:
確かに、経営が軌道に乗ってしまえば、診療時間を短くしたり、休診日を増やすなどもできますしね。

 

宋先生:
子供の塾や学校は合わなくて辞めたりするかもしれないですし。中にはもっと左団扇の先生もいるかもしれないですけれど、予約状況が空いていたらすごく不安になりますし、安定して経営できるのが一番大事なことだと思うのです。開業がうまくいくこと以外の要素を入れる余裕があるのかなと思ってしまいます。

 

Q12:移転の判断に関して

金子:
移転を決定したのは、どんなきっかけでしょうか。もちろん狭いというのはあったと思うのですが、売上がいくらに達したら移転しようとか、患者数何人に達したら移転しようとか、何か理由があったのでしょうか。

 

宋先生:
はい、色々とありますが、前のテナントは、2年ごとの契約だったのですよ。契約自体が恒久性のあるものではなかったので、長期計画を立てにくかったというのが大きいですね。

 

金子:
それでビルを探して出てきたということですね。

 

宋先生:
はい、良いビルが見つかったり、個人で契約ができたりと色々助けてもらえました。

Q13:移転開業と新規開業の違い

金子:
宋先生は、移転開業と新規開業どちらも経験されていると思うのですが、新規開業に比べて、移転開業の大変さはありますか。

 

宋先生:
患者様が離脱しないようにすることですね。例えば、クリニック名に地名が入っている場合は、クリニック名を変えなくて良いように同じ区内で探さないといけないです。あとは電話番号だけは変わらないようにしないといけないと思っていました。予約システムが変わって、電話番号が変わって、場所が変わったら、離れてしまう人が多そうじゃないですか。あと、なるべく、準備で休診にならないようにしないといけないので、ゆっくり準備ができないことが大変ですね。

 

金子:
先生は休診日をほとんど設けずに移転されていましたよね。

 

宋先生:
はい、月曜だけ1日休みをいれましたけど、それ以外は土日に準備をして移転しました。

 

金子:
新規開業だと1~2週間くらいかけて物品搬入や家具の組み立てとかを行うところを、33日でやったということですね。患者さんが待っていますものね。

 

宋先生:
それが移転の大変さですかね。

 

金子:
行政手続きも、一つミスをして、一か月開業が遅れるなんて許されることではないですもんね。

 

宋先生:
はい、妊婦さんもいるので、絶対に許されないですね。

 

金子:
逆に言うと、移転開業の場合は、最初から患者さんがついている安心感はありますね。

 

宋先生:
そうですね、立ち上がりの不安は少なかったですね。

※落ち着いていて、かつプライバシーにも配慮された内装です。竣工して3日間の準備で診療開始をされた先生とスタッフ様は本当にすごいです。

 

Q14:これまでの失敗、後悔

金子:
先生の中で、新規開業や移転開業を振り返って、失敗や後悔はありますか。

 

宋先生:
まずは、開業時はきちんとしたコンサルに頼めばよかったです。卸みたいな人が助けてくれましたけど、結果的に高くついたように思います。もう一つは、採用をしっかりやればよかったです。最初は知り合いや友人で固めましたが、後から振り返ると、普通に雇用した人でも良い人がたくさんいたなと思います。

 

金子:
知り合いの方が上手くいきそうですが、違うのですね。

 

宋先生:
特に医師からの紹介は、その医師から見たら人当たりが良くて、良いかも知れませんが、客観的に仕事ができるとは限らないのですよね。そんなこともあり、普通に雇用した人の方が良い人が多いと感じました。開業する友達には、「医師はいいけどそれ以外の職種は友達を雇ったらあかん」と言っています。一緒に働く、しかもこちらが雇用するとなると友達とは全然異なる関係なので。今も当院は非常勤ではたくさんの友人に来てもらっていますけど、常勤の人は普通に募集をした人が多いです。

 

Q15:これから開業される方へのアドバイス

金子:
これから開業考えていらっしゃる先生へのアドバイスなどいただけますか。

 

宋先生:
開業を考えている先生には、開業医になったときの自分の強みは何か、というのを考えていただきたいですね。今まで勤務医として評価されてきた部分と、開業医として評価される部分が変わってしまいますので。例えば婦人科医は、「オペがうまい」とかは開業したらあまり関係がないことが多いですよね。そして、仮にその強みが弱かったとしても、いざ開業をしてしまったら、絶対にスタッフや家族を食べさせないといけないですからね。

 

金子:
経営の成功は絶対条件ですものね。

 

宋先生:
はい、本当に婦人科でも多いと思うのですが、壮大な理想の医療があって、、、経営がうまくいっていて余裕があるならば社会貢献なり理想の医療なり、好きなことをすれば良いと思うのですが、まだ経営が安定する前から壮大な理想を掲げてしまう人がいます。それはもちろん素晴らしいとは思いますが、やはりまずはしっかりと経営をしてからと思います。

 

金子:
これは私もこの仕事をしていて、本当同感です。

 

宋先生:
経営がうまくいってから、その中で好きなことをすれば良いと思います。その順序が大事ですね。まずは石にしがみついてでも経営を安定させて、土台をしっかりしないといけないと思います。理想と現実を考えて、開業医目線で捉え、時には清濁併せ吞むことも必要になってくると思います。かといって闇落ちするのも違うので、その両方の崖の間を歩いていくことが必要になります。

 

金子:
医師であり、経営者ですものね。本当に参考になりました。この度はありがとうございました。

 

宋先生:
ありがとうございました。

以上

 


院長 宋 美玄  Song Mihyon

 

宋 美玄(そん みひょん)

産婦人科専門医・医学博士・FMF認定超音波医

経歴:

1976年 兵庫県神戸市生まれ

2001年 大阪大学医学部医学科卒業

     大学卒業後、大阪大学医学部附属病院、りんくう総合医療センターなどを経て

     川崎医科大学講師就任

2009年 ロンドンのFetal Medicine Foundationへ留学。胎児超音波の研鑽を積む

2015年 川崎医科大学医学研究科博士課程卒業

     周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、インターネット、

     雑誌、書籍で情報発信を行う

     産婦人科医の視点から社会問題の解決、ヘルスリテラシーの向上を目的とし活動中

一般社団法人 日本ガスケアプローチ協会 代表理事